INDEX NOVEL

Mr. シンデレラ 〈 5 〉

 今年は暖冬などと予報されていたけれど、ここへ来てぐっと寒くなった。朝から厚い冬雲に覆われた空が重そうに見えて、気持ちまで重くなった。十一月最後の日の今日は、たまたま定休日で、友彰に会いに行こうと思えば行けたけれど…。結局、だらだらとベッドに転がって過ごした。
 兄は昼から出掛けて行き、家には俺しかいなかった。小腹が空いて目覚まし時計を眺めると午後三時を回ったところだった。空腹にも拘わらず、抜け殻みたいな身体は動かすのも億劫でそのままじっとしていた。
 ベッドに寝転がったまま、頭は勝手な物思いに囚われていた。中国は寒くはないのかなとか、何時の飛行機なんだろうとか、そう言えば予定も何も聞いていないんだなぁとか、それより何より、もう会えないんだとか、くるくると頭の中を回転しては消えて行く。朝からずっとこんな具合だった。
 詮無い物思いにじんわり涙ぐみながら、ぼんやり天井を眺めていたら扉をノックする音が聞こえた。兄が帰って来たのだと思い、どうぞと返事をしたが一向に扉は開かなかった。空耳かなと訝しく思いながら扉を眺めていたら不意に音もなく開いて、俺の周りの時間が止まった。
 開いた扉の向こうから、まっすぐ友彰が俺を見ていた。少し怒ったような顔をして、入るぞ、とか何とか言ったようだが、俺には全く聞こえなかった。
 友彰はゆっくりと部屋の中へ入って来て、まっすぐベッドの側まで来ると、俺に背を向ける恰好で枕元の床に腰を下ろした。俺はそのスローモーションの映像をただ呆然と眺めていたが、友彰の背中から鼻に馴染んだコロンの香りがした瞬間、一気に時間が動き始めた。
 金縛りってこんな感じなんだろうなと、明後日な事を思いながら慌てて起き上がった。少し上から見下ろす友彰の耳が赤い。じっとしている友彰の背中を見ながら、どうしてここに居るのかと、当然の疑問が漸く心に湧いて来た。
「どうやって入って来たんだ? どうしてここに居る? 中国は?」
 思いつくまま口にした。友彰はゆっくり振り向くとベッドに左腕を乗せて俺を見上げた。
「さっき、亮介さんが家に来て鍵を預かった。中国へは十二月二十日に出発する予定だ」
 お節介な兄さんが、俺に会いに来てくれるよう頼んだのだと知った途端、どう仕様もなく拗くれた気分に襲われた。同情して仕方がなく来てくれたって訳だ。
「へぇ。頼み込まれて、こんなホモ野郎の所へ、わざわざ『別れ』の挨拶に来てくださった訳だ。それはとんだご足労をお掛けしましたね。ありがとうございました。もうこれで用は済んだだろ。とっとと帰って荷造りでもすれば?」
 俺はそっぽを向いて早口で言い捨てた。自分で言いながら胸が軋んだ。突然、強い力で友彰に腕を引っ張られ、身体が前のめりになった。慌てて片手を付いて身体を支え友彰を見ると、何時にない怖い顔が俺を睨んでいた。
「お前、それ、本気で言ってるのか? それはお前の本心か?捻くれるのもいい加減にしろよ。それとも、何か? あのとき俺に言った言葉も全部、お前の捻くれ心の戯言なのか?」
 竦み上がる思いだった。あの告白をなかった事にしたいと望んだのだから、「そうだ」と、ひとこと言ってしまえばいい。だけど、自分の本気を自分で否定するなんてできなかった。
「違う。ごめん、なさい…」
 項垂れて謝ると小さなため息が聞こえ、捉えていた手が外された。
「頼まれたから来た訳じゃない。出発までには会いに来ようと思っていた。俺だってお前とこのまま別れるのは嫌だったから、ずっと、ずっと、真剣に考えていた…」
 窺うように上目遣いで友彰を見ると、ベッドに乗せた左腕で頬杖を付いて扉の方を睨んでいた。そのまま暫く沈黙が続き、堪え性のない俺は重い空気に根を上げた。
「考えたけど、駄目だったんだろう?」
 俺は精一杯穏やかに言った。投げ遣りな言葉に聞こえたかも知れないが、友彰が真剣に俺の気持ちを考えてくれたのが嬉しかったから、それだけでも十分だと思った。
「まだっ! まだ、自分の気持ちに整理が着かないんだ。だから、今まで来られなかった。仕事の引き継ぎなんかで忙しかったのもあるけど。でも、どんな答えでも、きちんと出そうって決めてたんだ…」
 まだ出てないけど、と頬を支えていた手を額に移して頭痛を耐えるような姿勢で呟いた。
「それは、どう受け止めればいい? 駄目じゃないって事? 少しは期待してもいいって事…?」
 生まれて初めて男から告白されたのだから、答えを急かせてはいけないと思ったが、否定も肯定もしない生殺しの状態で、このまま中国へ行かれるのは堪らないと思った。
 友彰は振り向いて俺の顔をじっと見たが、すぐに視線を逸らして「聞きたい事があるんだけど…」と言った。「何?」と促すと友彰は目を閉じて思い切ったという口調で聞いた。
「お前、いつから俺の事…そういう風に思ってたの?」
 そんな事を聞かれるとは思わなかったから驚いたけど素直に答えた。
「高校の時。初めて会った時からだよ」
 俺の答えを聞いた友彰は、はぁぁ〜と大きく息を吐いてベッドに顔を突っ伏した。その呆れたとでも言うような反応が、癪に障って思わず口を開いていた。
「別にずっとお前の事だけを想っていた訳じゃないぞ。この十年間にいろんな男と付き合ったし、恋人だってちゃんといたさ」
「えっ?」
 弾かれたように顔を上げ、友彰は目を大きく見開いた。その信じられないと言った顔が、俺の自虐心を大いに刺激した。
「あっ、当たり前だろ! 十年間ずっとお前一筋で童貞です、なんて、その方が気持ち悪いだろ。大体、お前の方が凄かっただろ? 今まで何人の女と付き合ってたんだよ。そのたんびに俺がどんな気持ちで…。いちいち嫉妬してたら身が持たないから、いろんな人と付き合って自分を慰めてたんだよ!」
「俺は、付き合ってなんかいない」
「嘘だろ。林くんから聞いて知ってんだぞ。それに、うちの店にも取っ替え引っ替え連れて来てたじゃないか!」
「人をスケコマシみたいに言うな! そんなのは周りが無責任に流したウワサであって、梨花さんを除けば、今まで俺が付き合ったって言えるのは二人だけだ。後は煩く付きまとわれて仕方なくお茶や食事に行っただけだ」
「二人、だけ?」
「そうだ。お前も知ってるだろうが! チョコと茄子の、二人だけだ」
 チョコと茄子と言うと、高校の時の西野と大学の時のミス西城大か? 嘘だろう…と別の意味で驚いて友彰を見ると、額を押さえて俯いてしまっていた。俺は自分が最大の墓穴を掘ったのを悟った。『好き』とコクった相手に昔の男遍歴を聞かせるなんて阿呆じゃなかろうか。
 ゲイは内側より外側での恋愛を好む人が多い。くっつくのも早いが別れるのも早い。それが “ 俺たち ” の常識だが、そんな言い分がノンケの男に通用する訳がない。俺は全身の血が引く思いがして必死になって謝った。
「別に、謝らなくてもいいよ。俺はもともと人が言うほどモテないんだよ。啓介自身の事は、俺に気兼ねする必要はない。誰と付き合おうと、何人と付き合おうと啓介の自由であって、そんなの、他人がとやかく口出しする事じゃない」
 突き放された気がして泣きそうになった。どうしてこう馬鹿なんだろう俺は。もう一度、小さな声で謝ると友彰はゆっくりと首を横に振った。
「だから、いいんだよ。俺はお前に対して何も言う権利はないし…。むしろ、謝らなきゃいけないのはこっちの方だ」
「どういう意味?」
 鼻声で聞き返すと友彰は体育座りになって膝の上に顎を乗せ、ぽつりと呟いた。
「俺、お前が俺の事好きだって知ってた。知ってて今まで知らない振りしてた」
 驚いたけど、やっぱり…という合点がいった気持ちの方が強かった。
「いつから、気づいてた?」
「高校の時。自分で気づいた訳じゃない。言われたんだ、西野に」
 俺は今度こそ驚いて息を呑んだ。西野? 何で西野に? 俺はショックで真っ白になった。
「あの時、本当は『私と、一見くんの、どちらが大事なの』って、訊かれたんだ」
 友彰がフラれた日、西野はそう言ってどちらか選べと迫ったのだそうだ。

『私と一緒にいても、石川くんはラグビーか、一見くんの話しかしないじゃない。ラグビーはいいとして、どうして一見くんなの? そりゃ、仲が良いのは知っているけど、彼女は私でしょう? 私の前で他の人の話をするのはデリカシー足りないよぉ。私はいつも、私だけ見ていて欲しいの。大体あの子、変わり者でクラスでもハブにされてるじゃない。そんな子と仲良いのも考え物だよ。あの子には変なウワサがあるし』

 何故、親友と彼女のどちらか一方を選ばなければいけないのかと憤慨し始めていたし、声を落として嫌らしく笑いながら “ ウワサ ” と口に出した西野が別人に見えたと友彰は言った。

『一見くん、ホモなんだって。誰かが新宿で男とホテルに入ったの見たって。専らウワサじゃないみたいよ。キモチ悪〜い』

「気持ち悪いと聞いた後、気がついたら口論になっていた。どんな遣り取りだったかよく覚えていないけど、啓介は絶対俺の事を恋愛対象として好きなんだと、それを許して一緒にいるのは、俺にもその気があるんじゃないかと言われた。『そんな気持ち悪い人の側にいられない』と言われた時、急に気持ち悪くなって戻してた。誤解するなよ。ホモじゃないかと言われた事がショックだったんじゃなくて、あんな酷い事を平気で言える西野が、怖くて気味が悪かったんだ。
 でも俺は、フったフラれたなんて事はもうどうでもよくなってて、お前が俺の事を好きだってのが、気になって、気になって…。それからお前の事、ずっと見てた。話しただろ? だからお前が言わない事も、隠していた事も、俺は知ってたし、分かったんだ。ずっと見ていて、そうかも知れないと思ったよ。でも、高校の時は漠然と感じただけで、確信したのは大学の時だ」
「確信した?」
 俺は友彰の告白にショックを受けて呆けたようになりながら、そんな決定的になるような言動をしただろうかと記憶を浚った。
「茄子の後だよ。俺の為に『料理教室』を開いてくれただろ。あの辺りかな」
 友彰は顔を上げ、ベッドに凭れて扉を眺めていた。そう言われれば兄にも林くんにもバレたのは、やっぱりこの頃だったように思う。そんなに感情ダダモレだったのかと思うと、恥ずかしくてベッドに突っ伏した。
「その頃、俺も考えるようになっていたよ。お前とそう言う事ができるのかって…」
 俺は耳を疑う発言にベッドの上で飛び上がった。今、何とおっしゃいました? 
「はっきり言って、西野といい、茄子の時の沢渡といい、女って怖いなって思ってた。沢渡は最初大人しくてさ、でも一回寝たら態度が豹変して吃驚した。性欲が強い女性も悪くはないけど、何か搾り取られるって感じでさ。俺、試合が始まるとしないんだよ、セックス。そうしたらこうだ、『つまらないアンタはそれだけが取柄なのに、種なし男なんか用済みよ!』だと。
 梨花さんに会うまでは、女はみんな独占欲が強くて我が儘で、鬱陶しいだけだと思ってたよ。ラグビー漬けの毎日で男と過ごす方が多いし、ラクだし、楽しいし。合宿で風呂に入った時にむさい野郎の裸を見ながら、できるかどうか考えた。あんまりジロジロ見たりしたから、先輩にド突かれたりもしたよ。ちょっと無理かなとも思ったけど、触られるのは慣れてたしな」
「!!」
 今度こそ飛び上がって友彰を見たが、こちらに背を向けたまま友彰は話し続けた。
「大学ラグビーとか高校野球とか、ああいう何かの威信を懸けたスポーツをやっている連中ってのは、結構ストレスが溜まるんだよ。そのせいか羽目を外す時は半端じゃなくて、裸踊りは当たり前、酔っぱらって撃沈しようものなら何されるか分かったもんじゃない。一年の最初の合宿で酔い潰されて、気がついたら先輩に大事な所は握られてるわ、アレで頬は張られるわ、吃驚したよ。慌てて周りを見たら一年は全員、裸に剥かれてた。それ以来、絶対撃沈しないように酒だけは強くなったよ」
 ラグビー部って、そっ、そんな羨ましい事してたのかよ! って違うだろ! 危ねぇよ、それ。
呑気な口調で語る友彰に俺の方が焦った。
「触らせたのかよ!」
「好きで触らせた訳じゃない! 気がついたら握られてたんだから仕様がないだろ」
「気持ち悪くなかったの?」
 俺は恐る恐る聞いた。ゲイの俺でもちょっと引いたぞ。ノンケの友彰には恐怖だったのじゃないだろうか。
「まあ、ちょっとは怖かったけど、別に…。おフザケだって分かってたし、それ以上の事はしないもの。だから、想像したんだよ。お前とやったらどうだろうって…」
「どう、だったの…?」
 俺の想像を遙かに超える展開で頭がガンガンした。友彰は下を向いていて表情は見えなかったが、生唾を呑み込んで答えを待った。
「できる、と思った。お前となら」
「ええーっ!?」
 俺は素っ頓狂な叫び声を上げた。狂喜してもいい答えだったのに、逆に狼狽えた。そんな俺の雄叫びを遮るように友彰が声を張り上げた。
「だからっ! だから止めたんだ。考えるの止めたんだよ!」
 俺は息を呑んで友彰を見つめた。狼狽がそのまま恐怖に変わった。
「何で? どうして止めたの?」
 ベッドの上を膝行りながら友彰に近寄った。友彰はさっきから下を向いたままだ。じっとして答えない背中にもう一度問い掛けた。
「俺はさ…つまんない男なんだよ。顔が良いとか、ガタイが良いとか騒がれるけど、所詮そんなものどうでもいいんだよ。それが証拠にフラれ続けてる。女だって馬鹿じゃない。自分の遺伝子残すのに、より優秀な男を選ぶって言うけど、俺は人間として失格遺伝子なんだろうよ。その通りだよ。ラグビー馬鹿で気の利いた話もできないし、極端な偏食があってストレスにも弱い。
 なあ、俺もお前の事、好きだよ…。だから、逆に訊きたいよ。啓介は俺のどこがいい? こんな駄目な俺のどこがいい? お前は今までいろんな人と付き合って来たんだろ? もしも俺と付き合ってその人たちと比べられたら、俺が唯のつまんない奴だってすぐに分かるさ。お前はきっと勘違いしてる。夢見てるだけなんだよ。長いこと想い続けたから、頭の中で、俺って奴が違う生き物にでもなってる――」
「そんな事ない! そんな事、絶対にない! 俺、友彰のそういう所が好きなんだよ。ぶきっちょで生真面目で、優しくて穏やかで。お前、今日の事がなかったら西野の言った事も、沢渡さんの事も、一生俺には内緒にしてただろ。お前が人を悪く言うのを聞いた事がないもの。そういう、俺とは真逆のとこが好き。俺の悪い所も叱ってくれる。そんなの誰もしてくれないよ。
 友彰は卑下するけど偏食は治せる。それはお前も分かっているだろ。仕事の事は分からないけど、梨花さんだって誉めてたし、もっと自信をもってもいい筈だろ? 友彰は駄目じゃない。ねぇ、だから教えて。どうして、考えるの止めたんだ?」
 どうしても聞きたかった。そこに、俺たちの未来の扉を開ける鍵がある気がしたから。友彰はゆっくり顔を上げたが俺を見ようとはしなかった。
「もしも、お前とセックスできたとして、お前が望むように付き合えたとして…。俺には、そのまま続いて行けるとは思えなかった。俺がつまらない奴なのは、自分が一番分かってる。もしもお前に捨てられたら、俺は、多分死んじまう。今度こそ本当に食える物が無くなるだろう。
 そうなったらどうなる? ラグビーも、お前も、食う物も無くなって、その先どうやって生きて行ったらいい? だから、啓介とは友だちでいようと思った。友だちなら、離れて行く事はないと思ったから。このままずっと知らない振りで、考えないようにしていた…」
 友彰は下を向いて頭を両腕で抱えながら、ごめん、と小さく謝った。俺はベッドから下りて、友彰をそっと上から抱えるように抱きしめた。
「俺にこうされるの、嫌?」
 友彰の頭が横に振られる。
「この前、俺にキスされて、気持ち悪かった?」
 ふるふると横に揺れる。
「俺は友彰が好きだ。十年前からずっと。そりゃ、ちょっとは揺れたよ。でも諦め切れなかった。この気持ちは、これから先も変わらない。だから、一緒にいたい。離れるなんて嫌だ。俺は友彰と一緒に、中国に行きたい」
 俺の言葉を聞くと友彰は頭を上げて、漸くまともに俺の顔を見てくれた。
「本当に、それでいいのか? 向こうでソムリエの仕事があるか分からないんだぞ。俺とただ一緒にいるだけなんて、お前、本当に堪えられるの? 向こうは治安も良くないし、そうそう出掛けられないから、すぐに飽きると思うぞ。それに、お前がいなくなったら、亮介さんだって本当は困るんじゃないのか?」
 友彰は眉間に皺を寄せ、心配そうな顔で畳み掛けた。俺は友彰が嫌がらないのを好い事に、足の間に入り込み太い首に腕を回して間近で囁いた。
「兄さんは、自分の幸せは自分で決めろって。言っただろ、俺のしたい事はお前の世話を焼く事だって。一生お前の側にいるのが俺の幸せ。それに、飽きないよ。何しろ友彰は世話が焼けるから。これから毎日、お前が食べられる献立考えるなんて、楽しいけど大変だもの」
 そう言って笑い掛けると、友彰はここへ来てから初めて笑ってくれた。嬉しくて思わず調子に乗って、「嫌でないのなら、キスしたい」と上目遣いで囁くと、友彰は真っ赤になって唸ったけれど、ちゅっと音をさせて触れるだけのキスをくれた。
「しつこいようだけど、本当に俺でいいのか? その…、あっちの事だけど、お前の望みに応えられるかどうか、まだ分からないんだぞ」
 不安そうな顔で俺を見つめる友彰が愛しくて、嬉しくて、泣きそうになった。普通の男が、男との、そういう事まで真剣に考えてくれるのが嬉しくて有り難かった。
「いいよ。これからゆっくり、俺の事を恋人として好きになってくれれば。その中で、そういう事もできたら嬉しい。今はそれだけでいい…」
 友彰は目を見張って、それからぎゅっと抱きしめてくれた。俺はやっぱり我慢できなくて、泣きながら何時までもその大きな胸にしがみ付いていた。

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