INDEX NOVEL

秘密のピーチパイとチェリーボンボン 〈 12 〉 オマケ

※ 性描写があります。未成年の方はお読みにならないでください。

 泰治の返事にほっとして僕がヘらっと微笑むと、泰治はガバッと起き上がり腰に巻き付いた僕の足を引っ掴むと、太ももをくっつけるように両手で掴んでそのまま僕のお腹の方へ押し付けた。
「ちょっと! 泰ちゃ…ん!」
 僕は身体が硬いから仰向けで前屈するような姿勢は辛い。痛い〜と訴えると、押し付ける力が緩んだから少し楽になったけど、手は離してくれなかった。
「わりぃ。でも、ちょっと我慢してくれ!」
 一体何をしたいんだと思っていると、キツく閉じた股に泰治がアレを突き刺して抜き差ししはじめた。これってもしや、素股というやつか……。僕の裏筋を刺激しながら出入りする泰治のそれは、先走りで濡れてはいるけれど充分とはいえないみたいで、あまり滑らかに動いていない。
 刺激に反応して僕のからもまた出始めてはいるけど、一回いっちゃうとそんなには出なくなるから、これだと痛くしてしまうのじゃないかと心配だった。
「待って! 待ってよ!」
 言いながら足をバタバタさせると、泰治の動きが止まった。
「痛くて我慢できないから、場所、変わって?」
 するのが嫌なんじゃないよと言うと、泰治は素直に手を離してくれた。
「泰ちゃんが下になってよ」
 僕がそう言うと、今度は泰治が何をするんだと訝しげな顔をしたけど、僕を抱きかかえたまま窮屈そうに入れ替わって、泰治がシートに寝そべった。僕は泰治の上に乗っかった状態で泰治のTシャツを脱がしにかかった。自分だけ裸なのが恥ずかしかったし、泰治の肌とじかに触れ合いたかった。
 裸になった泰治の胸に抱きついて自分の胸を押し付けた。泰治は嬉しそうな吐息を漏らすと、受け止めるように僕の背中を抱きしめた。
 クーラーが効いてはいるけど、やっぱり少し汗ばんでいる。しっとりした肌と肌を密着させたまま、泰治の肩にかけた手と膝の力を使って、泰治の顔の前まで身体を移動させた。しこったおっぱいの先っちょが、泰治の肌を引っ掻くようにして擦られる。痛痒い刺激に思わず声を上げながら、疼く両胸を泰治の鼻先に突き出した。
「舐めて…」
 僕の求めに泰治は目を見張りごくりと喉を鳴らした。じっと見つめられて、自分で言い出した事だけど、恥ずかしくて顔が熱くなって来る。泰治は赤くなる僕を見ながら、ゆっくり乳首に吸い付いた。
「あっ、ん……」
 泰治は吸い付いたまま舌でコロコロと乳首を転がした。子どもの頃は泰治のそれと変わらないくらい小さかった。それが今では、普段でも倍くらい大きくなっているのに、こんな刺激を受けると更に大きくなってその存在を主張する。
 僕の背中を抱いていた左手を離して、泰治は僕の右胸を揉みしだきながら、指先で器用に乳首も捏ねくり回す。そうしながら、左胸に吸い付いていた口を開いて、舌先で嬲られる葡萄色の粒をわざと僕に見せつける。唾液で濡れたそこがあまりに淫猥に見えて、股間が熱くなった。
 クラクラするほど感じてしまい、ぎゅっと目を閉じると、またキツく吸われながら甘噛みされた。
「あっ、あぁ…んっ、ん……」
 あぁ、気持ちイイ……。
 泰治のおヘソの辺りで押しつぶされているソレから、じわりと溢れる感覚に震えが走る。
 胸なんて、男ならあってもなくてもいい不要のものだけど、僕のそこは違うのだ。ここを弄られただけでイッちゃいそうなくらいの快感スポット。それを泰治が教えた。
 腰が自然と揺れてしまい、僕のささやかなあそこが、転がりながら泰治のヘソから下を覆う体毛に絡まってしまう。右胸を揉んでいた泰治の手があやすようにお尻を撫でるから、僕も泰治の髪を撫でるように梳いてやると、今度は右のおっぱいに吸いつかれた。また、お漏らしするみたいに先走りが溢れ出た。
 こんな風に吸われ続けていたら、そのうちお乳まで出ちゃうのじゃないかと馬鹿な考えが浮かぶ。さすがにそれはないだろうけど、自分の考えに震えて、「泰ちゃん、離して…」と頼んだ。泰治は薄目を開けて僕を見てから、ちゅっ、と音をさせて名残惜しげに唇を離した。
 僕は起き上がって、少し後ろへずり下がると自分のものを泰治の怒張に擦り付けた。昨日泰治にしてもらったみたいに、一緒に扱くつもりなんだけど、その前に自分のと泰治の先走りで滑りをよくしようと、先端を泰治のに這わせながら濡らしていった。それだけじゃ足りないから、泰治のヘソの辺りに零したのも、泰治のさきっちょから流れてるのも合わせて、まるで日焼け止めのオイルを塗るみたいに隅々まで塗りつけた。
 なんか、すっごい、いやらしい眺め……。
 真っ昼間の、外から丸見えの車中で、天に向かってすっくと勃起した泰治のそれが、赤黒くテラテラと照り輝いている。まるで、インターネットで隠れて見てたエロ動画の男優みたいだ。とは言っても、当然モザイクがかかったのしか見た事がない。だから、実際はこんな感じなんだと思うと、いけない事をしているみたいで、すごく興奮した。
「……マキ?」
 泰治の根元を握ったまま、生唾を飲み込んだ僕に、泰治は不安そうな声を出した。僕はチラッとその顔を見て、「ちょっと待ってね」と笑いかけた。
 僕も頭の中はいっぱしの男だから、エッチな事は嫌いじゃないんだ。ただ、この身体をもて余していたから、ああいう行為を自分に当てはめて考えた事がなかったんだけど、今なら何でも受け入れられる気がした。
 僕は泰治の膝から下りて助手席のシートを少し起こすと、更にシートの位置を後ろにずらした。それから泰治のジーンズと下着を膝まで下ろして、少し手前に来てもらうよう頼んだ。
 泰治は一体何をするんだと訝しそうな顔をしたけど、言う通りにしてくれた。でも、僕がフロアに屈んで泰治の足の間から、自分の両胸を両手で抱えるようにしたのを見て、僕が何をしようとしてるのか分かったらしい。焦ったみたいに腰を浮かしたけど、その前に僕は行動に移してしまったから、ちょうどぴったりと僕の胸の間に泰治のモノが挟まった。
 パイズリ。おっぱいで男性器を挟んで扱く性行為。
 これを初めて見た時は、する側じゃなくされる側として、僕のは短いからしてもらっても埋没しちゃって、気持ち良くないんだろうな…って、そんな感想しか持たなかった。だって、まさか男相手にセックスする日が来るなんて、夢にも思ってなかったんだから。
 でも、こうして男の泰治とする事になっちゃって、僕が女役だと素直に受け入れてしまった今は、僕の肉の薄い太ももで素股なんてするよりも、こっちの方がずっと気持ちイイだろうって、泰治によくしてやれるならおっぱいが大きくて良かったって、プラス思考でいられる。これって、すごい進歩じゃないだろうか。
 僕がシコシコおっぱいで泰治のそこを扱き出すと、泰治は腰が砕けたみたいにシートに凭れ掛かって喘ぎ始めた。僕が途中で我慢させた分、限界にきちゃったのかも知れない。でも、息は荒いのになんだか変な顔で僕の事を見ている。
 僕が下手だからかな? と思って、もっとキツく包み込むようにして、長い竿を上から下まで擦ってあげたら、先っぽから、ぴゅって汁が飛んだ。
 イッちゃったのかと喜々としたけど、よく見たら透明な液体で、なんだ…と思って舌先でペロリと舐めてみたら、「マキ!」って、咎めるように怒鳴られて、顎を取られたから吃驚した。慌てて舌を引っ込めると、口の中に潮っぽい味が広がった。
「お前…どこでそんなの覚えた?」
 地を這うような低い声音で尋問されて、なんで怒っているのか分からずに怯えながら「…エロ動画」と答えると、一瞬で拍子抜けしたような顔になった。
「お前、見るんだ…AV……」
 泰治はボソッと呟くと、ばつの悪そうな顔をして目を逸らせたけど、僕はその言い方にカチンときた。
「見るに決まってるじゃん! 男なんだから!」
 女が見るもんじゃない…きっと、そんな事でも考えたんだろう。僕は男だって何遍も言ってるのに、勝手に決めつけて、勝手に怒って、やっぱり僕の事なんて、全然分かってない! 大体、イマドキの女の子ならAVくらいきっと見てるよ!
 そっぽを向くと頭の上でクスッと鼻を鳴らす音が聞こえた。よけいムカついて悪態を吐いてやろうと向き直ったら、泰治に二の腕を取られて膝の上まで引っ張り上げられた。
「悪かった…。早合点した。機嫌直せよ……」
 言いながら抱きしめられて、宥めるみたいにおでこにキスされた。……こういうのが、場慣れしてるなって思うんだけど、こんな素直に謝られると、僕なんかはいつまでも怒っていられなくなる。
 泰治は短気で思い込みが激しいけど、聞く耳を持たない訳じゃない。自分の非を認める潔さがある。男らしくて…好きなところだ。
「うん…」
 仲直りの印にぎゅっと抱きしめ返すと、唇がおでこから下りてきて、ご機嫌を取るように啄むようなキスをされた。泰治の薄い唇は、思ったより柔らかくって気持ちがイイ。唇から気持ちが伝わるみたいなキス。だから、泰治とのキスは好きだ。
 泰治の事なんて、何とも思ってないつもりだったのに、たった二日で、心も身体も解放させられて、泰治の中へ取り込まれてしまったんだ。
 繰り返し何度も吸い付く唇に身体が熱くなって、萎れかけたあそこがまた硬くなり始めた。もっと感じたくて誘うよう口を開くと、泰治の分身みたいに肉厚で太い舌が入って来た。捕まえるみたいに唇で挟んで扱き上げると、泰治が「くっ…」と喉を鳴らした。
 それを聞いて、僕の頭はまたエロモードのスイッチが入った。泰治の舌を愛撫するのと同じように、泰治のペニスを両手で包んでゆっくりと扱く。
「はっ、ふぅ……」
 泰治にとっては不意打ちだったみたいで、驚いたように大きく口を開いて、肺の中の酸素を中途半端に吐き出すと、苦しそうに大きく息を吸った。僕はますます興奮して、泰治の鈴口を指先で撫でると、面白いくらいに先走りが溢れ出て来た。
 気持ち良くされるのも好きだけど、相手を気持ち良くさせるのも気持ちイイ。男の善がり声にこんなに興奮するなんて、昨日から驚きの発見が続いてる。
 興奮のあまり目をつぶって舌もペニスも夢中で扱いていたら、泰治に乳首を摘まれてしまった。
「あっ、んんっ!」
 ビリッと感電したみたいに飛び上がって唇を離すと、ぐっと頭を抱かれて引き寄せられた。泰治は僕の耳元に唇を寄せ、掠れた声で「お前…エロすぎ。AVの見すぎだ」と囁いた。
「ひっ!」
 こそばゆくて息を飲んで震えると、乳首を引っ張った指を離して僕のあそこを握り込み、お返しするみたいに激しく扱き出したから、仰け反りそうになったけど、身体をがっちり抱えられていたから鳥肌が立ってしまった。
「…さっきの、パイズリも好かったぜ。けど、こっちの方が、お互いにイケるし、イイだろ……」
 切れ切れに、耳の中へ直接言葉を吹き込まれると、とんでもないくらい背筋が痺れた。止めて欲しくてコクコク頷いたけど、止めてくれない。鼓膜を震わせるように笑いながら、「手が止まってる…」と注意する。絶対わざとだ。仕返だ!
「あっ、はぁ、はあぁ……」
 言われるまま泰治のを扱いているけど、すごく変な気分。焦っているせいか、僕の手と泰治の手の動きが微妙に違うからか、快感が直結しなくてもどかしい。刺激で昂っているのに、焦らされる感じがして…おまけに、何か足りない感じがする。
「泰ちゃん…」
 喘ぎながら呼びかけると、泰治も昇りきれないらしくて、眉間に皺を寄せている。かなり近い位置で見てるから、ちょっと…やっぱり、顔が怖い。
 僕は上目遣いで怖ず怖ずと「触って…」とねだった。
「…触ってる、が?」
「ちがう、とこ…」
 泰治の胸に自分の胸をちょんっと押し付けると、すぐに察してくれたみたいだけど、「お前、両方やれるか?」と聞かれた。
 両方…。最初はそのつもりだったんだけど、泰治の手と比べたら僕の手は小さいから、両方扱くって難しいかも。でも、考えるより先に身体が動いてた。
 大きく足を開いて泰治の股ぐらに乗り上げ、屹立した泰治のものに僕のをピッタリくっつけた。泰治の膝の高さ分、僕の方が上の位置にいるにも関わらず、泰治の先端と僕の先端はほぼ同じ高さってのが、ちょっと泣きたくなった。
 敢えて目をつむり、泰治の巨根を自分のに擦り付けるように扱き出した。両手で泰治のそれを扱いてあげて、自分のは腰を振るようにして、その松茸の笠みたいな亀首のくびれに、裏筋をグリグリ押し付けてみたら、さっきより全然気持ちが良かった。
 腰を振ると自然と胸まで揺れてしまい、自分でも扇情的だなと思って赤くなってしまったけど、泰治も凄く興奮したみたいで荒い息遣いで、指で僕のおっぱいを愛撫しながら、僕の唇にキスしたり、うなじに噛みついたりと忙しなかった。あちこちに痕を付けられてるのが分かったけど、止めてなんて水を差す気は起きなかった。
 愛撫の加減が効かないみたいで、ちょっと痛かったけど僕の身体に夢中なんだと思うと、その痛みにすら感じてしまって、どんどん身体が仰け反ってしまい、そのぶん股間が余計に押し付けられて、気持ち良くって堪らなかった。
「いっ、あんっ、ああっ、ああっ、あぁ……」
「マキ…マキ……くっ、うっ……」
 泰治のボルテージは、耳元に届く喘ぎ具合で察しがついた。
 僕も限界だったし、自分のと泰治のと片手ずつで握り込み、フィニッシュに向かった。僕は目を閉じて集中してたから、泰治が息を詰めてから低く呻いて吐精したのを、手にかかる液体の温かさで感じた。
 僕の手でイッんだと思ったら嬉しくて興奮も最高潮に達し、さあ今度は僕の番だと、自分のを両手で包み直して扱き出した途端、泰治にぐっと引き寄せられて、ぱくっとおっぱいに食いつかれて、これでもかってくらい、しゃぶられた。
「ひゃぁぁぁぁ〜〜〜」
 僕は素っ頓狂な悲鳴を上げてイッてしまった。
 昨日は下を普通にしてもらっただけで、人生お初ってくらい気持ち良かった。さっきは口でされて、昇天しそうなほど気持ち良かった。でもこれも、負けず劣らずの絶頂感だった。
 泰治に弄られるまで知らなかった快感スポット。認識はしたけれど、出す時に一緒に弄くるとこんなに快感が増すなんて……。
 僕は目の前が暗くなる気がした。泰治に、今夜全部あげるつもりでいたけれど、このまま最後までやっちゃったら、僕の身体は取り返しがつかない所まで行ってしまいそうな気がした。
 射精後の倦怠感と、色んな疲れがどっときて、眠気に意識が遠のいた。そのまま身体が後ろへ傾いだのを泰治が抱きとめてくれたけど、「マキ! おい! 大丈夫かよ?」って慌てた声を聞きながら、怖くて意識を手放した。

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