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真冬の幽霊 〈 7 〉

 携帯の着信を確認してはため息を吐く。それが亨の日課になった。武大からの連絡が途絶えてもう三週間が経っていた。
 亨は寮で別れたその日のうちに電話をしたくて仕方がなかったが、しつこいと思われるのが嫌で我慢した。月曜の放課後に家まで待ちきれずメールを出すと、これから飛行機に乗るところだと返信があった。それから毎日数行のメールの遣り取りを続け、木曜日に『これから家族に会いに行くけど、気が重い』というメールを最後に連絡が途絶えた。
 最初のうちは、久し振りに家族に会ったのだから積もる話もあるだろうし、すぐにメールの返信が貰えないのは仕方がないと思っていた。それが、二日たち三日たち、一週間を過ぎてからは正秋の事が重なって、その身に何かあったのではないかと胃の縮む思いが続いている。
 わざと返事をくれないのかと考えもしたが、出したメールがエラーになって戻ってくる事はなかった。着信拒否をされている訳ではないのが救いになったが、では、どうして返事をくれないのか。
 周りに構う余裕もなく鬱ぎ込んで口数が少なくなった亨に、相馬や生徒会のみんなが心配して声をかけてくれ、気が進まないまでも、海外に行った友人からメールの返事が来ないのだと相談すると、「携帯、水没させちゃったんじゃないの?」と思いも付かなかった事を言われた。
「相手の携帯が壊れたとしても、こちらのメールは送信されるからね。海外じゃすぐには修理に出せないだろうし」
 そう慰められ、自分でもそう思い込む事で何とか耐えている日々だった。心の支えは『四月になったら会えるから』との武大の言葉だけだった。
 それも三週間が経つと効果が薄れて来る。明日から春休みを迎える終業式の今日は、本当は欠席したいくらい気分が優れなかった。それでも学校に出て来たのは、家にいる方が亨の様子を心配する母親が煩くて敵わないからだった。
 生徒会の役員は式の準備やら片付けやらでこの日は特に忙しかった。立ち働いているうちは元気にしていたが、終わった途端に陰鬱とした亨を、相馬が生徒会の打ち上げをするから家に来ないかと誘った。
 騒ぐ気分ではないので断ろうとしたが、「気晴らしになるよ」と他の生徒にも熱心に誘われ逡巡した。ここ最近ずっとみんなが自分に気を使ってくれているのは分かっていた。このまま家に帰っても自室に籠もるだけだったし、以前誘われていたサロンの集まりにも結局顔を出さなかったので、亨は誘いを受ける事にした。
 春休みの計画を姦しく喋り合う生徒会の連中を引き連れて、相馬と並んで校門を出た所で不意に大きな人影が近づいて来た。はっと目を上げた先に制服姿の三原が立っていた。亨は驚きで声も出せず瞠目したまま三原を見つめた。
「亨! ちょっと話がある」
 不機嫌な様子で顎をしゃくる三原を見て、背後にいた生徒たちが声を潜めて囁き合った。
「あいつ、確か問題起こして辞めた…何て言ったっけ」
「三原だよ。女の子孕(はら)ませたんだろ」
「それが、何で英に?」
 訝しげに続けられた会話は、三原が威嚇するように一瞥するとピタリと止まった。亨の頭はこの場をどう切り抜けるか考えるのに夢中で、背後のひそひそ話など耳に入っていなかった。呼吸すら止めたように固まったまま動かない亨に、三原はちっ、と舌打ちすると亨の腕を取ろうと手を伸ばしたが、相馬がその手を払い除けた。
「何だよ?!」
「英に何の用がある?!」
 亨を庇うように立ちはだかった相馬と三原は、殆ど同時に怒鳴って火花を散らすように睨み合ったが、三原は直ぐに余裕綽々(しゃくしゃく)と嗤った。
「なぁ、亨、ここで用件言ってもいいのか?」
 亨はビクッとして見る間に青ざめ震え始めた。その反応を見て様子を窺っていた生徒たちが色めき立ち「何だよ、放校されたヤツが偉そうに!」と口々に三原を非難したが、三原は全く動じずに口元に侮蔑の笑みを浮かべたまま、険しい表情をした相馬だけを見返して言った。
「今の俺にはもう、怖いモノなんてないんだよ。だからこの場で全部喋ったっていいんだぜ。相馬、お前の事もな…」
「みんな…先に俺の家に行っててくれないか。後から英と一緒に行くから」
 相馬が三原を睨んだまま指示すると、生徒たちは困ったように互いに顔を見合わせたが、副会長が頷いてみんなを促し、後ろ髪引かれるようにして相馬の家へ向かった。
「さすがは理事長の息子、鶴の一声だ。けど、俺の用があるのは亨だけだ。お前も連中と一緒に帰れよ」
 皆が引き上げる間ずっと黙ってニヤニヤ眺めていた三原が、また相馬を睨み付けて言った。
「英をお前と二人にはできない。どう見たって英は怯えてる。そんな英を置いては行けない」
「お前が、俺に、意見できる訳?」
 呆れ返ったと言った口調で三原が問うと、相馬は一瞬怯んだが「できるさ。“ アレ ” は、俺が頼んだ事じゃない」と決然と言い切った。
「はっ! さっすが、あの腹黒理事長の息子! っうか、お前が “ 一番 ” 腹黒いんだよ!!」
 三原は激高して叫ぶと、相馬に掴みかかろうとした。
「ちょっと待って!」
 亨は慌てて二人の間に割って入った。二人の間に何があるのか知らないが、どう見ても相馬が自分のとばっちりを受けているのは確かで、これ以上黙って見ている訳にはいかなかった。
「今は、相馬の事は関係ないだろう。一緒に行ってもいいよ…僕も、話があるし。ただ…」
 人のいる所なら…と言おうとして亨は口籠もった。確実に、二人きりにならない方法を選びたかった。武大に会うなら人通りのある所でと言われていたが、三原が街中へ出てくれるとは限らない。トイレでだって事に及ぶのだから、公園でだって人の目がなかったら押し倒されてしまうかもしれない。
「ただ?」
 痺れを切らした三原が先を促した。亨は背に腹は代えられないと決心した。
「相馬が一緒じゃないと、行かない…」
 ここには相馬しかいないのだから彼に頼る他はない。今ここで怒りに委せた三原に自分たちの関係をバラされても、望まない関係を強要されるより、友人を一人失う方が増しな気がした。否、失うのは一人じゃないかもしれない。でも、喩えこの後の一年間、誰ひとり口をきく人がいなくなったとしても、武大との約束を破りたくなかった。
 縋るように相馬を見ると、相馬は「うん。一緒に行くよ、英」と言って亨の肩に手を置いた。三原がその手を払うように相馬の肩を突き飛ばした。
「てめぇは関係ねぇだろう? 帰れよっ!! それとも、こいつにあの事バラされてぇのかよ!?」
「やめろ! 相馬には立ち合ってもらうだけだ!」
 亨が止めに入り三人で揉み合いになったところで、校門から出て来た生徒が驚いて足を止めた。三人は一斉に身体を引いて何事もなかったように静かになった。生徒は怪訝そうな顔をして三人を眺めたが、すぐに通り過ぎて行った。
「分かったよ。ここじゃマズイから場所を変えよう」
 三原はそう言うと先に立って歩き始めた。仕方なく、二人は黙ってその跡をついて行った。
 学校からほど近い商店街を抜け、家並みが続く細い路地を十分ほど歩くと、マンションに付随するように設けられた小さな児童公園があった。ベンチが二つ電灯を挟んで並んでおり、その前に滑り台と鉄棒と砂場があったが、子どもの姿はどこにもなかった。道草をしない亨はこんな公園があるなど知らなかったが、相馬も知らないようで、ぐるっと見回して辺りの様子を窺っていた。
 三原は「てめぇはそこで座ってろ」と相馬にベンチへ行くよう指示すると、亨の腕を取ってベンチから一番遠い鉄棒の前まで歩いて行き、腰の辺りまでの高さの鉄棒に寄りかかると亨に向き直った。
「俺が会いに来た理由は分かってるんだろう? 何であれからずっとシカトしてたんだよ。理由を訊かせろ」
 確かに、なぜ三原が会いに来たのか分かっていた。あの日から亨は三原からの連絡を全て無視していたからだ。勿論、いつかはこうして待ち伏せされるだろうとは思っていた。だから武大の言いつけ通り、帰り道も毎日変えていたし、必ず弓道部の生徒か生徒会の誰かと帰るようにしていた。でも、まさか校門の前で待ち伏せされるとは思ってもみなかった。
 遅かれ早かれ「もう会わない」と三原に伝えなくてはならないのだから、良い機会なのだろう。そう思うものの、伝えた後の三原の反応を思うと怖かった。一人でないのが救いだが、逆に後で相馬に事情を聞かれるだろう事を思うと頭が痛かった。
「あいつの事なら気にしなくてもいい。この距離なら聞こえやしないし、万一聞かれた所で、あいつを黙らせる方法はあるから安心しな」
 亨が躊躇している様子を相馬のせいだと思ったらしい三原は、ちらりと相馬の方を一瞥して吐き捨てた。亨が振り返ると、相馬はベンチに腰かけて緊張した面持ちでじっとこちらを眺めていた。先ほどの二人の遣り取りを思い出し亨は思わず口を開いた。
「本当に、同じ中学だったんだね…」
「お前、本当に俺の事、何にも覚えてないんだな。っていうか、興味ねぇのか…。まあ、そこがいいと思ってたんだけど…」
 改めて三原を眺めると、私服姿よりも実年齢に近く見えた。深緑色のブレザーを着込み、ネクタイもきちんと結んでいる。髪の色もどうやっているのか分からないが赤茶色ではなく黒だ。普段はこうして真面目に学校へ通っているのだろうか。確かにうっすら見覚えがあった。だから初めて声をかけられた時、先輩だろうと思って返事をしたのだ。
「そんなもの珍しい目で見てないで、俺の質問に答えろよ」
「あっ…」
 亨は我に返ると意を決して本心を告げた。
「もう、会うのを止めたいんだ。だから、返事をしなかった」
「黙りで自然消滅を期待してた訳? あり得ねぇーな。そんな簡単に行くと思った?」
「…いつかは、ちゃんと話そうと思ってたけど…」
「なあ、何でこのタイミング? 今までお前、何の意思表示もしなかっただろう? 何で今な訳?」
「何でって…」
 三原の鋭さに焦った。本当はずっと関係を切りたかった事は、きっと三原だって分かっている。それを出来ずに今まで黙って従っていた自分が急に反旗を翻せば、訳があると見抜かれて当然かもしれない。
 戸惑う亨を見つめ返し、三原は今まで見た事もない真摯な顔つきで口を開いた。
「俺、言ったよな。お前を大事に思ってるって。伝わってないなら改めて言う。俺はお前が ――」
「だから!!」
 皆まで言わせず亨は叫んだ。三原の気持ちを聞いてはいけない気がした。三原に対して以前のような嫌悪感はなかった。代わりに罪悪感が焦りのように押し寄せて胸が苦しくなった。
「だから…止めたいんだ。僕は、三原とは付き合えない。だって…」
「好きなヤツがいるのか?」
「えっ?」
 言おうと思っていた台詞を言われ、なぜ分かったのかと驚いて三原を見ると、亨の肩越しに相馬を見ていた。亨は慌てて首を振りかけたが、思い直して頷いた。
「相馬じゃないけど…好きな人がいる。だから、三原とはもう会わない」
「本当に、相馬じゃないのか?」
 念を押すように訊ねられ、亨は三原の目を見て頷いた。暫く黙って互いに見つめ合ったが、三原はため息とともに「分かったよ」と呟いた。
「お前が俺の事、嫌ってるのは分かってたよ。最初は俺も、お前と一回できりゃいいや、くらいに思って声かけたから、半分脅すみたいになっちまって…最後までその流れは変えられなかった。俺も向きになってたからな。どんな事をしても、お前は俺を一度もまともに見てくれなかったし。俺はお前のどこか普通のヤツらとは違う超然とした所が好きだったんだけど、それって結局、何にも興味がないって事だったんだな。だから、嫌な思いでも何でも、俺を意識してくれればいいやって、どんどん後戻りできなくなってた…。なぁ、お前の好きなヤツって誰なんだ? お前の興味を引いたヤツって、本当に相馬じゃないんだろうな」
 そう言って憎々しげに相馬を睨み付ける。相馬は三原の視線を受けて同じように睨み返した。なぜ相馬に拘るのか分からないが、亨は誤解を解こうと「違うよ。相馬じゃない」と宥めるように言ったが、それでも信用していない顔つきの三原に仕方なく「大学の寮で会った人の事、覚えてる?」と訊いた。
「ああ? ああ…何かバタ臭い顔した美形(イケメン)だったな…。まさか、あの男…なのか? 知り合いだったのか? でも、全然そんな…」
「そうだよ。あそこで初めて会った。初めて会ったけど…好きになったんだ」
 三原は信じられないという顔をして絶句し、真っ直ぐ向き合った亨の顔を暫く眺めてから「はっ、馬鹿馬鹿しくなってきた…」と肩を竦めた。
「もういいよ。相馬じゃないなら誰でもいい。お前の相手が相馬だったら…アイツの目の前で、お前の事犯っちまったかもしれないけどな」
 言われた内容に亨は震え上がって身を引いた。亨の反応に三原は自嘲気味に笑って「こんなだから嫌われたんだろうけど、俺が捻れたのはアイツのせいだぞ」と相馬の方へ向かって顎をしゃくった。
「最後にひと言忠告しといてやるよ。亨、相馬には気をつけろよ。じゃあな」
 そう言うと、三原はズボンのポケットに手を突っ込んでスタスタと出口へ向かって歩き出した。亨はその後姿を呆然としたまま見送り、公園の出口を曲がって三原の姿が見えなくなるとヘナヘナとその場にしゃがみ込んだ。相馬が慌てて亨の傍へ駆け寄り、「大丈夫?」と言って亨の身体を抱え上げた。
「大丈夫。緊張が解けたから…」
 相馬は亨の身体を支えながらベンチへと促し亨を座らせると、自分もその隣へ腰かけた。ほっと息を吐いた亨に相馬はソワソワした様子で「あの…」と切り出した。
「何の話をしているか聞こえなかったけど、あいつ、何か俺の話をしてたよね? 何て言ってたの?」
 亨は不安げな相馬の顔を見ながら考えた。聞こえなかったと言うのは本当だろうか。三原は相馬には気をつけろと言った。この先、相馬は自分と三原との関係を聞きたがるだろう。詮索されずにこのまま誤魔化す事はできないだろうか。
「あのね…、三原が、『自分が捻くれたのは相馬のせいだ』って…」
 相馬は目を見張り、見る間に青ざめ俯いた。亨は三原の台詞の端々に相馬に対する憎しみを感じた。推測でしかないが、恐らく三原の放校処分の原因に相馬が関わっているのではないだろうか。亨にとってはどうでも良い事だが、使えるかもしれない。
「心配しないで。詳しい事は訊いてないから。これからも訊かない。だから、相馬も今日の事、忘れてほしい」
「えっ?」
「立ち合ってくれて、ありがとう。助かった。でも、三原と僕の間に何があったのか、一切訊かないでほしい。僕も、相馬と三原の間に何があったのか、訊いたりしないから」
 相馬は一瞬酷く険しい表情を浮かべたが、直ぐに朗らかに笑うと手を差し出した。
「分かった。訊いたりしないよ。みんなにも俺が上手く誤魔化してあげる。前にも亨の力になりたいって言ったよね。それは本当だよ。だからこれからも俺を頼ってほしい」
 いきなり英から亨と呼び捨てにされ驚く亨の手を勝手に掴むと、相馬はぐっと亨の身体を引き寄せた。バランスを崩して相馬の胸に倒れ込む亨を抱き止めて、相馬は「さあ、うちに行こう。嫌な事は忘れて、みんなで騒ごう」と耳元で囁いた。亨は咄嗟に身の危険を感じたが、相馬は直ぐに腕を離し起ち上がった。行こうと笑いかける相馬の顔を見ながら、三原の忠告はあながち嘘ではないように感じた。
 亨は気が重いまま初めて相馬の家に行き、相馬が頼んでくれたケータリングの料理をつつきながら、ゲームやカラオケに興じる生徒会の仲間を呆然と眺めて過ごした。これが新星学園の生徒が憧れる『サロン』なのかと思うと拍子抜けしたが、高校生らしいと言えば高校生らしいのかもしれない。
 相馬は約束通り、どうして亨が三原に待ち伏せされたのか訊きたがる連中を誤魔化してくれた。武大に吐こうと思っていた嘘と同じ、亨は三原に『恐喝されていた』事になった。三原を悪く言うとみんなはすんなり信用した。相馬に悪びれた様子はなく、亨は罪悪感が募って居心地が悪かった。
 三原が放校になった理由をみんなが口々に教えてくれたが、それは亨も噂で聞いた事がある内容だった。近隣の女子高の生徒を妊娠中絶させたために、三原は成績優秀な生徒だったが退学処分になった。公にされた話ではないのだが、当時まだ中学二年生だった生徒が引き起こした問題として衝撃は大きく、学校の中で大層広まったのだが、亨は自分とは懸け離れた世界の事としてすっかり忘れてしまっていた。
 そう言えば出会ったばかりの頃、亨が三原の名前を聞いても何の反応も示さなかった事を驚いていたけれど、そういう事だったのかと今更ながら思う。三原に言われた通り、亨が孤高の人のように見えるのは何にも興味を示さないからだが、それは誰にも知られてはいけない ―― それこそ世間からしたら、未成年が妊娠させたとの同じくらい衝撃的な ―― 秘密を持っているから、自然と他人を遠ざけているうちに身についた孤独ぐせのようなものだった。
 改めて考えると、三原にとても悪い事をしたような気がして落ち込んだ。同時に、武大に会いたくて切なくなった。貴方の望み通り、三原とは別れる事ができたけど、肝心な貴方は一体何処に行ってしまったんですかと、ぼうっとしている亨に相馬が声をかけてきた。
「ねぇ、亨。春休みは何か予定はあるの?」
 三原を避けるために家に籠もるつもりでいたから、塾の春期講座も申し込まなかったし、弓道部も体調不良を理由に休部届けを出したから何の予定もなかった。首を振ると「俺も何もないんだ。だから、明日からうちで勉強会しないか?」と言った。
「ええ〜! 英先輩だけですか? 僕も参加しちゃ駄目ですか?」
「勿論、みんなも歓迎だ」
「あ〜…残念、俺、春期講座とっちゃった…」
「僕は旅行に行くんだよね」
 相馬の提案を受けて姦しく参加不参加を言い合う声の間から、「亨は参加するよね?」と相馬に笑いかけられた。亨は予定がないと言った手前断る理由が見つからず、一抹の不安を覚えながら小さく頷いて返した。

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